なぜ感染者数が急激に減少しているのか(素人の雑感です)


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今日で緊急事態宣言が終わり、明日からは飲食や移動などで制限がかなり緩和されます。日本では8月中旬から感染者数が減少し始めましたが、正直これほどまで急激な減少になるとは思っていませんでした。ピークアウトしたとしても減少はかなりゆっくり緩やかになるのではないかと思っていました。
ワクチン接種が進んだことやお盆の時期に雨が続いて人々が外出しなかったことなどが寄与したことが考えられますが、それだけではこのような急激な減少は説明つかないのではないかと考えています。

以下は素人なりに考えた雑感です。

 

エラーカタストロフ説について

東大の児玉龍彦先生が「エラーカタストロフの限界」で説明がつくのではないかと述べています。エラーカタストロフとは、ウイルスの増殖が速くなるにつれてコピーミスも増加し、あるところまで行くとウイルスが自壊するようになるということらしいです(←あまり理解できていない(笑))。
非常に興味深い仮説だと思いますが、今後は客観的な検証結果が欲しいところです。

デルタ株について

デルタ株は現在の日本では流行しているコロナウイルスのほとんどであるとされ、そして世界中でも最も流行しているようです。日本でもカッパ株やミュー株が検出されたとの報道がありましたが、デルタ株の感染力は高く、カッパ株やミュー株が日本で感染拡大する兆しはありません。

 

デルタ株はスパイクタンパク質の452番目のロイシンがアルギニンに変異したことが特徴であるとされています。記号ではL452Rと表記されていますが、このデルタ株はL452R以外ににもそれぞれ変異した部分の亜種がたくさんあるようです。
私の考えでは、日本でデルタ株が流行し始めた時期と、現在のデルタ株では「デルタ株」のくくりでは同じですが、たくさんの遺伝子配列で何らかの決定的な相違があるのではないかと思います。その相違はウイルスの自壊につながっているのか、何らかの感染減少につながる特性があるのではないかと思います。

 

例えば現在韓国では日本より遅れてデルタ株の感染が流行していますし、イギリスでは7月に全面的に規制を撤廃し、その後感染者数が増加に転じていますが、現在の日本のデルタ株はこれら韓国やイギリスのデルタ株とは性質が異なっているのではないかと思います。

 

おそらく多くの専門家がすでに何らかの検証を始めているかと思いますが、新しい知見が出ることに期待したいです。

再流行の可能性は?

現在の世界ではデルタ株がコロナウイルスの王者として君臨していて、これに置き換わりそうな変異種はまだ表れていないのではないかと思います。
日本でも初期の武漢型、今年の春頃に流行したアルファ株があり、次々と変異株が置き換わって流行していきましたが、現在流行しているデルタ株に置き換わる変異株は今のところ表れていません。楽観的に見ればこのまま収束すれば本当に良いのですが、そう簡単ではなさそうな気がします。

 

エラーカタストロフ説の児玉先生も、流行状況はウイルスの自壊だけによるものではなく、社会的状況にも左右されるとしており、再度感染拡大したイギリスは規制撤廃の影響によるものと見ているようです。日本では7月頃はマスク、3密を避けるだけでは(一定の割合の人の対策が甘いためと思っていますが)感染拡大は防ぐことができなかったと思われますが、今現在はマスク、3密を避けるだけの対策でもかなりの効果が出ています。ただし、明日以降規制が緩和された後は、やはりリバウンドする可能性は高くなると思います。

 

また、今現在のイギリスや韓国で流行っている「元気のいい?」デルタ株が持ち込まれたとしたら、日本でも感染拡大する可能性はあると思います。

 

以下の図は東京都のコロナウイルス感染動向のモニタリングのうち、L452R変異株の状況ですが、最近は約9割がデルタ株となっていますが、微妙にデルタ株の割合が低下し始めたようにも見えます。今後は薄い緑色の非L452Rに含まれる様々な変異株から再流行して君臨するものが現れる可能性もあるかもしれません。

 

 

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東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトから引用