日本で流行したデルタ株の論文について読んでみました。(査読前?のようです)
デルタ株の日本で流行した新しい系統AY.29についての論文のようです。
結論としては、デルタ株が日本に持ち込まれた後に、日本国内で変異した株AY.29が夏に日本中で流行したこと、オリンピック期間中に持ち込まれた海外のウイルスの影響はほとんどなかったとのことのようです。
Full Textのページでは3つの図がありますが、図1は日本に持ち込まれたデルタ株をN1~N5の5つのグループに区別し、N5グループから日本で変異したAY.29系統が派生したようです。なお、N4以外はインド由来で、N4は由来が不明のようです。
N5のデルタ株から日本でまずC1が発生したとあります。これはC5239T と T5514Cが変異したようです。さらにC1からC28170Tが変異したC2が生まれ、さらにさらにC2からC5365Tが変異したC3が生まれたようです。
(これらの変異は具体的に何なのかはわかりません(笑)。ORF1ab: V1750Aとかの表記があるのですがこれがどこかのたんぱく質部分を表しているのでしょうか?)
N5
↓
C1 C5239T と T5514C が変異
C2 (C5239T と T5514C)に加えてC28170Tが変異
C3 (C5239T と T5514C、 + C28170T)に加えてC5365Tが変異
よってAY.29系統はC5239T と T5514Cの2つの変異が特徴ですが、AY.29はさらに3種類あることになります。
図3の下図は日本のコロナウイルスの流行した株の割合を示していますが、C2はすぐに消えたようで、9月時点でC1とC3が半分ずつとなっています。
ただし、9月に入ってからデルタ株の割合が少し減少傾向で、海外から持ち込まれたウイルスの割合が少しずつ増加し始めていると思います。
この論文を読んだ限りでは感染爆発した7~8月から現在まで主にAY.29が流行しているままということになりますが、感染者数の推移をみると、やはりどう考えても7~8月とそれ以降では感染力に変化があるとしか思えません。本当にウイルスに変化がないのでしょうか?
いつかはこのモヤモヤがわかればよいのですが。